ICU。
事故から、何時間経ったのだろう…
娘に会わせてもらえたのは
夕方ぐらいだった。
ICU…
一番奥に、娘はいた。
看護師さんが「○○ちゃん、おかあさん来てくれたよ」
大きなベッドに、眠っている小さな娘。
傷ひとつなく、きれいな顔。
人工呼吸器や、心電図、カテーテル…
たくさんの機械が、管…
人工呼吸器の空気を取り入れる音。
その度に、大きく動く娘の体。
医師から娘の状態の説明を受ける…
意識不明の重体。
脳挫傷、肺挫傷、肋骨骨折…
体中が、血がいっぱいだと…
どれぐらいの命なのか、数日かもしれないし
数週間かもしれない…
「もう、二度と、おかあさんと呼ぶことはないでしょう…」
医師の説明が、聞こえているけれど
聞こえていない、そんな感覚だった。
入院に必要なものを取りに帰らないと…
おむつが、赤ちゃん用では小さいし、病院にある大人用Mサイズでも大きいので
大人用Sサイズを買って来てと言われ
娘のそばにいたかったけれど
一度、家に戻った。